大阪の法善寺、水掛け不動さんに立ち寄りました。
正式には西向不動明王(にしむきふどうみょうおう)と呼ばれています。
お不動さんは、憤怒の形相の厳しさの愛でもって、私達の煩悩を断ち切り、導いて下さいます。
戦後に、とある女性が、お不動さんに水をかけて願掛けを始めたことをきっかけに、
今では多くの参拝者が水を掛けてお不動様に願いを託し水を掛けられることで、
勇壮に佇む不動明王様の姿はびっしりと緑色の苔に覆われています。
私も、お世話になった方の病気平癒をお願いしました。
お不動さんの両脇には、矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制吒迦童子(せいたかどうじ)という名のお不動さんの眷属がいらっしゃり、
矜羯羅童子が「慈悲」を、制吒迦童子が 「忿怒」を表しているのだとか。
日本有数の港町であった難波は、「難波(なんば)」の文字通り、難しく荒れ狂う波が押し寄せる場でもあり、そのため航海の守護神・金毘羅天王も境内にお祀りされています。
「二河白道堂(にがびゃくどうどう)」というお祈りスポットもあり、
仏様までの真ん中の白道の両側は、赤いタイルが私達の煩悩の「怒り」を表す火の河、
「執着」を表す水の河が流れ、渡り切った先には極楽浄土となっており、慈悲深い笑みをたたえた阿弥陀様、お釈迦様が迎えて下さいます。
この法善寺一帯の地域は「千日前」と呼ばれていますが、かつてこの地に処刑地や死者の焼き場や墓地などが密集しており、専念法師が千日間の念仏回向により供養を行なったことから、「千日前」と呼ばれるようになったそうです。
世を治めていくためには、見えない存在となった人々の気持ちに寄り添い、供養をしていくことが、いかに大切かということを改めて感じます。
まずは身近なご先祖様に思いを馳せるところから、日々の供養を実践したいと思います。
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